ピーター・マクドナルド 「Cocktails」 ヨッヘン・ホルツのガラス作品と共に
空港、ビーチ、美術館、街角のショップ、ジムなど現代生活の様々な場面を描いてきたピーター・マクドナルド。
アクリルグアッシュの意外性のある色の組み合わせを使いながら、頭の大きな人物たちがユーモラスに日常を徘徊します。色の重なり合う部分はコミュニケーションを象徴し、絵の具を配合して透明感を出しています。また先駆的なアーティストが登場する作品はカラフルで既知に富み、2008年のジョン・ムーア絵画賞(John Moores Prize)受賞作「フォンタナ」は、ルチオ・フォンタナがキャンバスに刃を立てる姿を、その後、車椅子のアンリ・マチスのコラージュ制作風景なども描いています。全ての作品は人生への讃歌(celebration of life)だとマクドナルドは言います。ドーナッツや靴下、水着や壁にかかる抽象の画中画、日々の喜びを彩る細やかなデティールも見どころです。
2021年には、コロナ禍の中、個展「Sampo / 散歩」 を開催しました。兼平彦太郎氏のキュレーションで、表参道のvoid+と西麻布SIDE 2の2画廊、カフェbuik, ワインレストランplate tokyo, ミニャルディーズUn Grain, 書店ユトレヒトを巡る展示です。難しい時期に外を歩き、少しでも明るい気持ちに、また自分の時間を豊かにすることを試みました。東京で11年ぶりの個展でした。
今回の「カクテルズ(Cocktails)」で出展される作品は2022-2024年に描かれたものです。ハガキサイズから40cmくらいまでの小さなキャンバスを15点、ドローイングを12点、そして新作のリトグラフを5点展示します。リトグラフはバルセロナの歴史ある工房 Poligrafa Obra Grafica https://poligrafa.net/en で制作されたものです。
「Together」「House Party」「New Friend」といった作品のタイトルからは、今やっと集い、会話し、楽しむことができることを思わせます。
友人であるロンドン在住のガラス作家ヨッヘン・ホルツを招いて、カクテル・グラスやピッチャーも展示します。
ホルツのユニークなガラスは日本でも以前より販売されていますが、今回はピーター・マクドナルドとの展覧会のために制作した新作となります。
ピーター・マクドナルド独特の色と形、そしてヨッヘン・ホルツの輝くガラスを見ていただければ幸いです。