サンティ・アレルッツォ

PAST 10. 21. 2022 - 11. 30. 2022

ARTIST DATA

サンティ・アレルッツォ (1929-2006) は1929年にイタリアの南メッシーナで生まれ、作家として個展が始まる1958年の1年前よりメッシーナ海峡を挟んだヴィッラ・サン・ジョヴァンニで制作、晩年まで過ごました。生前はカターニャ、ローマ、ボローニャを中心に発表し、イタリア以外ではあまり知られていない存在ながら、その穏やかで詩情のある作風は没後10年以上経った近年注目を集めています。窓から、あるいは散歩で見かけた風景が繰り返し描かれ、作家の静かな私生活から生み出された絵画です。あたかも自身の過去と現在をつなぐ試みのように、海峡の光を受ける水平線を中心とした構図を生涯を通して実験しています。また、抽象化された風景は年を追うごとに、より完成されたフォルムになっていきます。今回の展覧会では1970年代後半より晩年の2005年までの風景を中心にした作品油彩7点、水彩画6点を展示いたします。海峡の輝く青や紫、空の桃色、クリーム色、木々や茂みに宿る緑のバラエティ、アレルッツォの作品に現れる色彩は喜びといえるでしょう。メッシーナ海峡を渡る風、光溢れるサンティ・アレルッツォの作品と出会っていただければ幸いです。

略歴